今までにないコーヒーを作りたいというオモイから、ナッツとコーヒーの研究を続けている今日この頃です。
今回はクルミのコーヒーと合う最適なロースト温度についてです。
コーヒーと一緒にクルミを抽出する上で何℃がクルミの良さを引き出す最適な温度なのか検証していきます。
こんな研究みたことない?
くるみの最適なロースト検証方法
①粉砕

ミキサーの一番細かい設定でくるみを粉砕します。
②温度別にロースト

- 0℃(そのまま)
- 180℃
- 200℃
- 220℃
それぞれの温度で粉砕したくるみを10分間ローストします。
③そのまま食べて味を比べる

素材の味を比べる為、そのまま食べて味を比べます。
④お湯で抽出して味を比べる

素材の味を知った上でお湯で抽出して味を比べます。
ドリップコーヒーを想定して、くるみ粉2gを90℃のお湯140gで抽出。
- 始めに50g入れ、30秒間蒸らす
- 30秒たったら50g投入(計100g)
- 1分になったら40g投入(計140g)
- お湯が落ち切ったら外す
以上の方法で抽出していきます。
⑤14日後のくるみの状態
クルミは他のナッツに比べて劣化しやすい傾向があります。
なぜなら他のナッツの中でもオメガ3脂肪酸が多く含まれているため、空気に触れると酸化しやすく、風味が損なわれやすいからです。
コーヒーを飲み切る一つの目安として14日後も劣化がないかを比べます。
14日という数字に根拠はないけど一つの目安として!
0℃

クルミの状態
全く熱を加えていないので、色味は白いです。
食べてみるとクルミ本来の優しい味わいに少し苦味がありました。
ローストした風味は当たり前ですが、全くありませんね。
お湯で抽出
まずビックリしたのがお湯抜けの悪さ(笑)
フィルターに詰まってしまっているのか、初めからポタポタ速度でお湯がゼンゼン抜けていきませんでした。
味わいとしてはクルミジュースのような甘さが全面に出ていて、ロースト風味は当たり前ですがありません。
14日後の状態
特に劣化することなく状態にほぼ変化はありませんでした。
クルミ風味 | (3.0 / 5.0) |
香ばしさ | (2.0 / 5.0) |
甘味 | (5.0 / 5.0) |
14日後の状態 | (5.0 / 5.0) |
180℃

クルミの状態
色味にほぼ変化はありませんが、ほんのり茶色みがかっています。
食べてみるとロースト風味が、ほんのり香りつつも、クルミ本来のやさしい味わいも残っています。
バランスがいいです。
お湯で抽出
お湯抜けはかなり良くなりました。
ローストすると理由は分かりませんが、お湯抜けがバツグンによくなるようです。
味わいとしてはクルミ風味とローストした風味を両方感じることができました。
14日後の状態
特に劣化することなく状態に変化はありませんでした。
クルミ風味 | (4.0 / 5.0) |
香ばしさ | (4.0 / 5.0) |
甘味 | (4.0 / 5.0) |
14日後の状態 | (5.0 / 5.0) |
200℃

クルミの状態
色味はかなり茶色が強くなりました。
食べてみると、ローストした風味がふんだんに香りますが、クルミの風味が弱くなっています。
少し焦げたせいか、苦味も感じられました。
お湯で抽出
クルミ風味もありつつ、ロースト感、甘味もしっかり感じます。
なおかつコクもあってtheクルミという感じです。
そのままで食べた時にはクルミ風味は弱く感じましたが、お湯で抽出すると違うようですね。
14日後の状態
明らかに劣化していました。
ローストした直後と比べると、古い脂のような香りが漂い、とても食べられる状態ではありません。
酸化が進んでしまったようです。
クルミ風味 | (5.0 / 5.0) |
香ばしさ | (4.5 / 5.0) |
甘味 | (4.5 / 5.0) |
14日後の状態 | (1.0 / 5.0) |
220℃

色はこげ茶色に近いですね。
ローストしている段階から煙がたくさん出て少し心配になりました(笑)
食べてみると完全に焦げた味わいで、クルミ風味が完全に抜けています。
苦味がかなり強いです。
お湯で抽出
香ばしさが全面に出ていて、くるみ本来の甘味は抜けてしまっている印象です。
また焦げが強いせいか、ウーロン茶に近い味わいになってしまいました。
14日後の状態
明らかに劣化しており、古い油のような香りがします。
200℃以上でローストするとダメージが強く酸化が進みやすいようですね。
クルミ風味 | (4.5 / 5.0) |
香ばしさ | (4.5 / 5.0) |
甘味 | (4.5 / 5.0) |
14日後の状態 | (1.0 / 5.0) |
まとめ:クルミのベストなロースト温度は180℃

クルミをコーヒーと一緒に抽出する上でベストなロースト温度について検証してきました。
- 0℃(そのまま)
- 180℃
- 200℃
- 220℃
そのまま食べてみた時には180℃がベスト、お湯で抽出した時には200℃がベストでした。
ただ、200℃以上でローストすると劣化が早まり14日後には古い油のような香りが…
190℃ローストでも良さそうですが、クルミはローストするほど劣化が早まるので、総合的にみると180℃がベスト!という結果になりました。
0℃(そのまま)だと劣化は少ないですが、クルミ風味が弱いのとお湯が全然抜けが悪いのでコーヒーと一緒に抽出するには向かないです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
やはりローストは奥が深い…